57 Anchan ( LG Size)

Anchan (LG Size) 【現在所有】

 Anchan(アンチャン)は北海道のルシアー、安藤氏が製作する手工ギターのブランドである。AnchanのJ-45タイプの中古を大阪の楽器店で見つけ即購入、Anchanをいたく気に入った私はその後、安藤氏と連絡を取り00サイズとドレッドノートサイズのギターを直接製作依頼した。これらの詳細は「私のギター列伝」の「44 Anchan (Gibson J-45 Type)」「50、51 Anchan (00、D)」をご覧いただきたい。その後、YahooオークションでAnchanのLG-3タイプの新品同様の中古を落札し、レッスンで使用していたが、生徒さんが希望する条件にこのギターがピッタリだったため、お譲りした。これらの詳細は「54 Anchan (Gibson LG-3 Type))」をご覧いただきたい。このGibson LG-3タイプのギター(以降「旧LG-3タイプ」と表記)はレッスン用ギターとして適していたため、生徒さんにお譲りしたと同時に新たなLGサイズのギター(以降「新LGサイズ」と表記)の製作を安藤氏にお願いした。

 旧LG-3タイプはオークションでの入手だったため、私のレッスン用ギターとして非常に適してはいたが、いくつかの改善希望点もあった。まずは、高音寄りの音質でネック幅も細く比較的ストロークに適したギターであったので、音的には中低音の締まりを出してバランスを取り、演奏面では弦間ピッチを広げてもう少しフィンガーピッキング寄りにしたかった。次に、音質を重視したかなり薄めのラッカー塗装であったので、毎日のレッスンでのハードな使用にも対応できるよう塗装にもう少し耐久性を付けたかった。最後に、デザインがGibson LG-3のコピーであったので、もう少しオリジナル性が欲しかった。
 新LGサイズはゼロからの製作依頼のため、これらの改善がなされるよう仕様を決定した。このための旧LG-3タイプからの変更点で、細かいところはいろいろあるが、代表的なものは以下の7点である。

 ・サイドとバックをマホガニー単板からインディアンローズウッド単板に変更
 ・指板をローズウッドからエボニーに変更
 ・ブリッジをGibsonタイプブリッジから小型のボトムベリーブリッジに変更
 ・ピックガードをラージタイプからスモールタイプに変更
 ・ヘッド形状をGibsonタイプからanchanオリジナルタイプに変更
 ・ナット幅を43mmから44mmに変更、弦間ピッチも若干広げた
 ・ラッカー塗装回数を増やし塗膜の強度を少し上げた

 完成直前に北海道地震などがあり少し遅れたが、製作依頼から7か月後に完成し、送られてきた。

 仕様変更による音などの変化はこちらの予想どおりで、レスポンスの良さとプレーン弦のふくよかさはそのままに、中低音が前に出てバランスは良好である。塗装をややしっかりとさせたので音量低下を懸念したがそのようなことはなく、中低音の締まりからかトータルの音量も少し増したようである。指板を漆黒のエボニーにしたためか、見た目も音も締まったような気がする。弦間ピッチは私の好みに合わせて細かく指定したので、私にとっての弾きやすさはこの上ない。
 何度も言っているが、これだけの指定ができ、希望通りのギターが十万円代で入手できるのは驚きである。このギターをもとに、自分の好みやプレイスタイルに合った自分にとって2本目のギターをanchanで製作してもらいたいという話が生徒さんから出ている。また安藤さんといろいろやり取りをする時間が持てそうである。