35 Gibson Southern Jumbo 1950's Tri-Burst

Gibson Southern Jumbo 1950's Tri-Burst

 サザンジャンボのフォルムが好きでスタンダードを持っていたが、D-18 Authentic購入時に売却した。1年半後、ジャパンリミテッドモデルで材もスタンダードより良いものを使っているSouthern Jumbo 1950's Tri-Burstが発売された。定価は41万で実売は30万前後らしい。試奏しに行った。

 スタンダードとくらべてきらびやかで、ストロークだけでなくフィンガーピッキングにも向くのではないかと思うような音色である。さらに、Tri-Burst(トライバースト、最も人気の高い1950年代のサザンジャンボに採用されていた赤みの強い3段階サンバースト色)の綺麗な色も気に入ったが、新品は値段もそれなりなため購入は見送って、ネットで中古を探していた。しかし、もともと数の少ないモデルのため中古はなかなか見つからなかった。

 ある日、ショップのサイトを見ていると、1年ものの中古を発見した。すぐにショップに電話をすると、15分ほど前にネットに掲載したところだという。これは縁があると確信した。すぐに送ってもらったところ、さらにラッキーなことに、新品購入時の保証書付きで新品購入から4ヶ月しかたっていない保証期間中の中古。もちろんキズなどは皆無の新品同様の状態で、ジャパンリミテッドのカスタムショップ製のためスタンダードモデルよりも材は非常に良い。音は以前試奏したものとほぼ同じで、Gibsonらしいストレートさもあるが、それなりに粘りと深みもある。ストロークはもちろんだが、まろやかさもあるためフィンガーピッキングにも向いている音色で、弾き語りにはもってこいである。以前所有していたスタンダードのサザンジャンボとは格段の差があるモデルであった。

 オーヴィル・ヘンリー・ギブソンは1894年に、ミシガン州カラマズーでマンドリン製作を始め,1902年にギブソン社が設立される。1920年代にはモデルL5によりアーチトップ・ギターのトップ企業となる。また、1952年にギタリストのレス・ポールとの共同でエレキギターを設計、レスポールモデルとしてフェンダー社のストラトキャスターと共に、エレキギターのスタンダードとなる。
 アコースティックギターにおいては、1926年にスティール弦のスモールボディ・フラットトップギターを発売して以来発売を続け、1937年にはSJ-200、1942年にはJ-45を発表する。60~70年代はMartin社に押され気味であったが、80年代のアコギ暗黒時期にはアコギの製造を止めてエレキに絞り、難なく乗り切った。2000年以降は派手目のデザインが若者に受け、アコギの売り上げも好調で、2014年ではMartinのスタンダードモデルであるD-28の売り上げ本数を、GibsonのスタンダードモデルであるJ-45が上回っている。